【こだわり】なぜ、昼飯屋は地域密着経営にこだわるのか?

※この記事は2020年7月に書かれた記事です。

コロナによる緊急事態宣言が発令後、街から人がいなくなり、お客さんも激減しました。

打開策としてテイクアウトを始める店もありましたが、売上が大幅に落ち込んだ飲食店がほとんどでした。

そんな状況の中、僕が経営しているカレー屋では、コロナ期間中でも売上を維持、2倍まで伸ばすことができました。

僕自身が行ったことは、緊急事態宣言が発令する前から変わらず、地域密着型営業です。

コロナ時代を乗り越えることができたのは
地元の方、周りの企業様の支えがあったからと強く感じています。

緊急事態宣言が明け、街には人が戻ってきました。

しかし、コロナの第2波、3波がいつきてもおかしくない状況です。

打開策として行っていたテイクアウトのシステムや、お店の営業そのものを検討していかなくてはいけない時期かと思います。

しかし、今までの営業方法ではよくないとわかりつつ「どうしていいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

なぜなら「地域の方に選ばれるお店」になるための方法がわからないからです。

そこで今回は「緊急事態宣言中でも売上を維持することができた、地域密着型営業」についてお伝えしたいと思います。

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改めまして、東京都大田区にて「昼飯屋」を経営しているしんちゃんです。

毎日、無化調・無添加でからだにやさしいカレーを作っています(笑)

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撮影 : 牧野圭子

18歳から寿司屋、日本料理、イタリアンなどを経験。3年前オープンしたランチ限定のカレー屋では、席数10席ので一日200食を売り上げる超繁盛店を作り上げました。
そして、今年の2月に独立し、「昼飯屋」をオープンしました。

★昼飯屋Twitter
https://twitter.com/hirumeshiya1

★昼飯屋インスタ
https://www.instagram.com/hirumeshiya1/

 

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僕が行ってきた地域密着型の経営を伝えたところ

「その発想はなかった」「常連、ファンになってもらう方法がわかった」とたくさんの声をいただきました。

コロナの影響を受けて困っている、経営を安定させたい飲食店経営者のヒントになると嬉しいです。


1.立地がとにかく重要
  オーナーとの契約
  
2.チラシ配りはしない 
  ミニマムスタートの限定20食から
  昼飯屋の営業スタイル
 
3、新規顧客から常連様、紹介者、協力者に
  過去の実績を頼らない
  常連様のいつものとは

1-1 とにかく立地が重要

飲食店ををするうえで一番大事なのは立地です。

1、人の目に留まる場所か
2、自分がやりたいお店の客層に合っているか

この2点は徹底的に考える必要があります。

1、人の目に留まりやすい場所か
「家賃」と「人の流れ」を見る必要があります。
人通りが多いからといって、山手線沿いの駅の近くで営業しようとすると、家賃はかなり高くなってしまいます。

逆に「家賃が安いから」と駅から離れた場所で営業すると、お客さんに見つけてもらうことができません。

どんなにおいしいものを提供できたとしても見つけてもらえなければ伝わらないのです。

僕は単身者や子どものいる世帯が多い、各駅停車しか止まらない駅の近くにお店を出すことにしました。
※ここはご自身のお店のコンセプトと照らし合わせることや調査が必要

各駅立地では駅近くであっても、比較的家賃が安く、通勤で駅を利用する人の目に留まりやすいです。

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都心に同じ家賃で店を出そうと思うと、駅からはかなり離れてしまいます。

お客さんの目に触れる「分母の数」でいうと
都心の駅から離れた場所よりも、各駅停車の駅近の方が圧倒的に多くなります。

僕のお店はカレー屋なので、朝出勤していくサラリーマンが「いつもいい匂いで気になっていたんです」とコロナ渦の中でもテレワークの方が休日に来てくれました。

2、客層が合っているか

お店を出している(出そうと思っている)街には、どんな人たちが住んでいるのか。

一人暮らしが多いのか、家族なのか。
どんな人が他のお店を利用しているのかを把握します。

また、競合と呼ばれるお店にはどんなところがあるのか。
利用する客層は?平日、土日で客層は違うのか。

自分が売りたいと思っているお店の需要があるのかを、いろんな角度から見極める必要があります。

僕がお店を出す街として選んだ大田区の大森町は、人が多いのにもかかわらず、こだわりの強い飲食店がありません。

平日はラーメン屋や華料理屋に行くサラリーマンが多く、ガッツリ食べたい人が多い印象。

休日はマクドナルドが長蛇の列になるほど混んでいて、家族でお昼に外食できるお店が少ないことが明らかでした。


1-2 オーナーとの契約

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店を出す時に店舗の契約をすると思います。

店舗契約をする時には、家賃に対しての売上を考えないといけません。

実際、一日中 店を開ければ売上を上げることもできるとは思います。

しかし、僕自身、長時間 店を開けておく飲食のあり方には疑問があります。

家族との時間、自分の時間を全て割いて経営していきたいと僕は思いません。

その想いを伝え続けた結果、同じ想いを持ったオーナーとのご縁がありました。

自分の想いや明確な目標を周りの人に伝えていったからこそ、今回 繋がることができたと思っています。

また、自分を知っている、信用しているからこそ、紹介してくださったと強く感じています。

周りの方との日々の関わり、信頼関係の積み重ねが今の結果につながったと思います

僕は夜に居酒屋を行っているビルのオーナーさんとお昼の時間を契約しています。

飲食業界で同じ場所を使うというのは、信頼関係が必要不可欠です。

どちらかが食中毒を出してしまうと両方とも営業が停止してしまうし、どちらかがいい加減な営業をしてしまうと、もう一方にも影響が出てしまいます。

同じ店舗で経営していること、相手にも影響があることを忘れてはいけないのです。

地元密着の経営方針である居酒屋店舗を借りていることを忘れ、スタートからメディアに出たり、SNSなどで大々的に告知するということは、街の繋がりを大切にしているオーナーとの信頼関係を壊すことに繋がります。

地元の方に愛される店づくりが何よりも大切になります


2-1 チラシ配りはしない 

オープンしたらビラを配る、ポスティングするといった宣伝からスタートする人が多いと思います。

しかし、予算や時間のわりに費用対効果はほとんど表れません。

家のポストに入っているマッサージや飲食店のチラシを見て、行くことはありますか?

ほとんどの方は行かないと思います。実際、チラシやティッシュを配っても、効果は1%と言われています。

ではどのような宣伝をするといいのでしょうか。

人通りの多い場所であれば新しい店ができたこと、その店がどんな店であるかはお客さん自身が見ています

看板やのぼりなどで、お店の近くを通るお客さんに『何屋さんなのか』気づいてもらう工夫をしましょう。

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気になったお客さんが持って帰るチラシを店の外に用意するだけで十分です。

興味を持っていない人にアプローチしても届きません

当たり前ですが、興味を持ってくれた人の方がお客さんになってくれる確率は高いのです。

興味を持っていない人にビラを配るより、興味を持ってくれる人にどうやって足を運んでもらうかを考える方が大切です。

そのためにも人通りの多い場所にお店を出すこと「立地」が重要になるのです。


2-2 ミニマムスタートの限定20食

オープン当初は20食からのスタートで、12時半過ぎには完売する状況を作っていました。 

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13時前に売り切れている状況を作ることで、
お店の前を通っていた人が「早い時間に売り切れる店」とお店に興味を持ってくれるようになります。

地元のお客様であれば、今日は食べられなかったからまた来週来よう。と次回の来店を予定として組みやすいです。

また、この時間で食べられなかったから
30分早く来ようとお客さんを誘導することができます。

お店がお客様に合わせるのではなく、お客様がお店に合わせたくなるようなお店づくりが重要です。

そのためには、供給よりも需要が大きい状態を常にキープする必要があります。

お客様が離れてしまう、売上を取りたいと思い、
『完売している状況』を作れない飲食店が多いかと思います。

しかし、ロスに繋がると経営を圧迫します。

この戦略で食べられなかったお客さんが、「売り切れていて食べられなかった」と周りに伝えてくれるので、チラシをまくよりも宣伝効果があります。

チラシをもらう受け身の状態ではなく、「行ったけど食べられなかった」という客様の自発性を作ることが大切です。

その日食べることができなかったお客様が
他のお客様とお店に来てくれる場合も多くあります。

その場で食べられなかったことで宣伝効果と
1人分の飲食費がプラスになっています。

その場の売上にならなくても、店全体を見るとプラスにすることができる。今の売上にこだわらず、店にとってのプラスを考える。

『お金をいただくタイミングを少し後ろにずらすこと』も戦略の1つだと知っておくと良いと思います。


2-3 昼飯屋の営業スタイル

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昼飯屋はカレー1杯950円から提供しています。

それはオープン当初から変更していません。

よくオープン価格で100円引きといったチラシを目にしますが、値引きが客引きの全てではありません。

例えばオープン価格でカレーを850円で提供すると、ランチに850円を払うお客様が集まります。

ランチは安く済ませたいと思っているお客さんに、950円のランチは高いかもしれません。

最初にクーポンを利用して来た場合、継続した利用には繋がりにくいことが多いと思います。

値引きしてお客様を呼ぶのではなく、950円払ってくれるお客さんが満足し、また来たいと思うお店づくりをしていくことが必要です。

では来たくなるお店はどのようなお店でしょうか。

答えはシンプルで

1.お昼休憩の時間を大切にする
2.お客様が来店してから帰られるまでのストレスをなくす
3.お客様にとって『ちょっと嬉しい』をする

この3つを徹底して行うことです。

1.お客様が感じるストレスをなくす
例えば、カレー屋やランチのお店で食べ終わった後、会計したいのに店員が忙しそうで声をかけられないと思ったことはありませんか?

短いお昼の休憩時間、会計したいのにお店の人に気を使ってしまう時間がもったいないです。

昼飯屋では、料金を前払い制にすることで
会計できないストレスをなくしました。

また、リストが取れるからとLINE@を使っている人も多いと思いますが、お客様の立場で考えたらどうでしょう。

無料になる、割引になると一度登録したものの、その後の通知が多く、通知をオフにしている人も多いと思います。

昼飯屋ではLINE@を広告として使用せず、テイクアウト時の個々のやり取りでの使用がほとんどです。

新規顧客のリストを集めるよりも、常連様との距離を近づけるためのツールとして使用することを心がけています。

その他、お客様として来店した時の流れをイメージし、ひとつひとつの場面で考えられるストレスと、その対処法について徹底的に考えていきます。

2.お客様にとってちょっと嬉しいを演出
例えばカレー屋で注文した時、料理が出てくるまでにかなり待ち時間があった経験や、ルーが少ないなと感じたことはありませんか?

昼飯屋では、カレーを早くて2分以内に提供しますし、ルーのおかわりは自由です。

もっと料理が早く出てきたら…ルーが多かったら…と他の店で感じたことを自分の店で行うようにしています。

こんなことができたらいいのにな。というお客様の『ちょっと嬉しい』に耳を傾けたサービスは、お客さんの心に響きます。

マイナス面を徹底的に排除し、プラス面を伸ばす。お客様にとって居心地の良い店づくりが「また来たい」に繋がります。

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3-1 過去の実績に頼らない

僕が以前働いていたカレー屋は、メディアで紹介されるような繁盛店でした。

「独立したら声をかけて」と言って下さる
お客さんやインフルエンサー、メディアの方も多くおられました。

しかし、独立した時は連絡をしていません。

その理由は2つあります。

1つはオーナーとの契約でもお話した、地域密着型で居酒屋を行っているオーナーとの信頼関係を大切にするため。

もう1つは常連様に「間違いなかった」と感じてもらうためです。

いつも食べているお店、自分たちが好きなお店には、こんな実績があった。
と後から知ることで、常連様が「以前から通っていたお店、実はすごいお店だったみたいで...」と周りの人に話しやすくなります。

常連様が自慢できるポイントを残しておくと
紹介した時に相手からすごいと思ってもらえる状況ができます

常連様が紹介することで、鼻高くなれる場を作っていきます。

3-2 常連様に使う言葉

常連様が紹介したい場を後だしで作る他
接客でも変化をつけていきます。

新規のお客さんに対しての「いらっしゃいませ」と言う言葉を、常連様には使いません。

親しみのある「どうも、いつものでいい?」といった言葉を使い、特別な存在であることを伝えていきます。

「いつものでいい?」と言うためには
そのお客さんのいつもを知らなくてはいけません。

何曜日、何時ごろ来店なのか。
毎回同じメニューを頼む人なのか。
お水はどのくらい飲むのか。

常にお客さんの様子を把握するようにつとめます。

お客さんを知っているからこそ、いつものでいい?と聞くことができます。

気にせずに営業している人も多くいますが、お客さんを知ること、覚えておくことは飲食には必須のスキルです。

最後に…

これまで伝えてきたことは僕の考えですので、全てが正解ではありません。

しかし、そもそも厳しいと言われるこの飲食業界です。

いきなり大きなチャレンジをして、多くの資金をかけてオープンするより、まずは自分の勝ちパターンを作ることが大切です。

ミニマムスタートであれば、もし撤退したとしても傷は大きくありません。

もちろん、今回はスタートアップの話ですので、戦略は日々変化させていっています。

僕が今回伝えたかったことは、

・人との繋がりを大切にする
・ミニマムスタートで勝ちパターンを作る
・目の前のお客様を大切にする

ということです。

また来たい、紹介したいと思ってもらえるお店を意識し、戦略を立てていくことが地域密着型の経営にとって大切になります。

今回のnoteが飲食店経営者のヒントになることを願っています。

今後も、マイペースですがお店の動きや戦略なども発信していきますので、どうぞよろしくお願いします!

以下のSNSではレシピ動画なども配信していますので、是非チェックしてね!

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https://twitter.com/yonshimai77

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https://twitter.com/hirumeshiya1

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https://www.instagram.com/hirumeshiya1/

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追伸

今回、このnoteをつくるにあたって、やまけんさんに相談したところ…

なんと、ももちゃんが手を上げてくれた。そこから何度もやり取りして、やっと仕上がったnoteになります。

ももちゃんには本当に感謝、感謝!!!!ありがとう!!!!

 

そして…

 

先日、さちえるさんのstandfm 「あなたらしさを活かすラジオ」 にも出演しました!

前編がこちら。

後編がこちら。

リラックスしながら話しまくっているので、ぜひお聴きください♪

こうしてみんなに支えられて、僕は成長しています。たくさんの素敵な仲間たちに感謝です!!!!

 

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\困ったときの救世主/
昼飯屋のレトルトカレー。
無化学調味料・砂糖不使用・グルテンフリー。
安心安全・おいしさ・食べ応えにこだわりました。身体が求める味。とリピートもついてます。
ぜひ一度ご賞味ください!

▼レトルトカレー購入方法は
①通販サイトで購入(カード決済、銀行振込)
https://hirumeshiya1.com/collections/curry%20

②メールかメッセージでお問い合わせ
info@hirumeshiya1.jp

▼お店「昼飯屋」
大田区大森西5-10-10
京急線「大森町駅」より徒歩10秒
070-3270-2024 

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